ー I for You・宙 ー

新しい茶道

今後ますます海外との文化交流が増え、西洋化していく国内の生活様式に、最も適応した茶道のお点前の一つです。

茶道の根本精神を大切にしながら、グローバル化した現代社会に対応しうる茶道として、

これからも更に進化して参ります。

人としての魅力

心をこめて、目でにこやかに、手を優しく差し伸べて、思いやりの心を残す。

茶道の動作の中に、最後まで気を抜かず清らかな余韻を残すことができる人には、また会いたいと思います。

「残心」は、日本の素晴らしい文化としてのおもてなしの心の表われです。

日本が世界に誇れる日本人の魅力です。

コンセプト

活用イメージ

日本の伝統工芸・漆塗りの技術

漆器の文化をより日常生活に広げること、伝統の継承に役立てたいという思いが今回の茶箱シリーズに込められています。

国産の業務用漆器のシェア8割を占める越前漆器の職人が、

毎日変わる気温や湿度を肌で感じながら漆や木地を扱うため同じものはどれ一つとして無く、

丁寧な作業を必要とする特別な品となっています。

オリンピック・パラリンピックを超えて

日本の素晴らしい伝統文化を、2020年東京オリンピック・パラリンピックの機会に、
更には100年後の日本にまで伝えていく一助となることを願っています。

「I for You・宙」はあなたの為のおもてなしです。

私達が生きている空間を宇宙として、宇は空間、宙は時間軸。
この大きな宇宙の空間を自分の小さな空間に移動し、静かな時間軸を作るのが「宙」です。
茶道にとどまらず、華道、書道、香道、謡道の宇宙観を解き放ちます。

すべての心は仁・義・礼・智・信

【仁】茶筅
自分の身を削って人の為に立てる思いやりの心

【義】棗
蓋と胴が離れても成すべき事を行う強い心

【礼】扇子
折り目正しく礼を尽くす感謝の心

【智】茶匙
匙加減ひとつでその方に合わせる賢い心

【信】茶椀

信じてお茶をいただく素直な心

講習会場

「I for You・宙」をより理解し、活用するための講座を開催しています。ぜひご参加下さい。

Culture and Architecture

「I for You・宙」で使われる茶箱は、 日本最大級の建築家ネットワーク
「ARCHITECTS STUDIO JAPAN」と共同開発しました。

機能性重視の中に和モダンの美しさを組み入れ、古来よりある遊び心に、
現代的な建築の要素を組み合わせることで、これまでにない空間を構築しています。

「宙 sora」と建築の話

 松平洋史子様から「宙」と名づけられた手書きの設計図を見せていただいたのは今から3年以上前でした。そもそもお茶の世界に近づいたことの無い私にとって茶道も、茶箱も、茶室も遠い世界であり、ご要望には不向きと感じました。ただ、お世辞にも専門的な設計図とはいえない3枚程度のスケッチをじっと見つめているうちに、これまでの常識とか伝統をいともたやすく解体する潔さ、未来をうち拓くときある意味日本人だけが解き放つ本質的な美しさ、あたかも未解決の数学の定理を解読にいく冒険心とあどけなさ(フェルマーの最終定理を数学会が300年以上かかってついにイギリスの数学者アンドリュー・ワイズが解き明かしたように)、なんと雅な、魔法の玉手箱であることに気づかされました。

茶室の起源や歴史については諸説ありここでは省きますが、大別して草庵風のものと書院風のものがあり、室町末期から桃山期にかけて発展・完成しています。茶道を極め、その空気と緊張感をもたらす空間としても茶室は茶道において重要な役割を果たしています。

ただ出張型の立礼式などでは所作を補完してくれる茶室などの空間を用意することは難しく、その意味で完成度は低くなります。「宙」は、茶箱が茶室に変化します。蛹から美しい蝶が生まれ出てくるかのような変体。そして、ここには極めて建築的なprogramが寄り添っています。茶道と建築との奇跡的な出会い。「解剖台のうえにミシンと洋傘が偶発的に遭遇する美しさ」ロートレアモンのマルドロールの歌を今にささやかれた幸せを皆さんと共有できれば幸いです。

ARCHITECTS STUDIO JAPAN
代表取締役社長 丸山雄平